海のサイエンスカフェ

日本海洋学会教育問題研究会



第2回海のサイエンスカフェ報告

【話題提供】 「海流をつかむ話し」

              道田 豊(東京大学海洋研究所,日本海洋学会教育問題研究部会員)

【ファシリテータ】

                高橋裕子(広島市科学技術市民カウンセラー)

【テーブルアドバイザ】

                広島市科学技術市民カウンセラー4名

                日本海洋学会教育問題研究部会員3名

【参加者】     一般参加者18名

 

【話題提供者からのメッセージ】

 準備段階で先方からの注文などが多く,意識のすり合わせに多少苦労したが,当日はサイエンスカフェひろしま側の関係者とも非常によい雰囲気で,まずまず盛り上がったものになった.広島市側としては,海洋学会の主導で実施するものに相乗りするということではなく,意識が高く意欲旺盛な人々が確立したサイエンスカフェひろしまのスタイルを崩したくないということだったと思われる.実施にあたって,考えの違いが顕在化して何らかの軋轢を生じることを危惧したが,結果的には杞憂に終わり,実施体制という点では問題なく行うことができた.

海洋学は守備範囲が非常に広く,今回は海流,それも表層の吹送流を中心とした話題に絞ったが,それでも参加者アンケートに「2時間が短く感じられた.もっとテーマを絞って深く説明を」という意見を書いた人がいた.ベースの知識のレベルなどが異なる参加者全員に満足してもらうのは至難ながら,それぞれ何らかのものはつかんでいただいたものと思う.

いつもの会場よりは広かったようだが,比較的狭い場所に少人数で集まってお話をするという形式の長所は生かされていたと思う.聴いている人の反応がよくわかったし,質問や意見を出しやすい雰囲気になっていた.ファシリテータ高橋さんの夫の高橋浩一氏は,帰り際に「期待通り非常に面白かった.サイエンスカフェひろしまとしてはもうひと工夫欲しかったかな」という評価を述べた.彼らは,参加者に何か作業をしてもらい,それを通じて話題を掘り下げるといった形式で進めることが多いようで,例えば,黒潮の流れている位置を白地図に描いてもらうというような作業をしてもらって話を進めても良かったかなという気がした.

道田 豊