海のサイエンスカフェ

日本海洋学会教育問題研究会



海の巨大な渦 
―海の中にも高気圧と低気圧がある―

 

【開催要項】

話   題: 海の巨大な渦 ―海の中にも高気圧と低気圧がある―
話題提供: 上野洋路さん(北海道大学 大学院水産科学研究院)
日   時: 平成22年9月9日(木) 18~20時
場   所: 道の駅「流氷街道網走」フードコート「キネマ館」

【参加者】 大学生・大学院生・社会人(9名)、教育問題研究会員(6名)、合計15名

【進行担当者からのメッセージ】

 地方開催の海洋学会に合わせて行う「海のサイエンスカフェ」としては3回目でしたが、過去2回が地元でのサイエンスカフェ活動と連携しての開催 であったのに対し、今回は地方ではじめての単独開催でした。そのため広報活動にも限界があり、9名の参加者のうち、(海洋学会の会員ではない)一 般参加者は3名と少なめでした。しかし、ポスターを見て北見から車を飛ばして駆けつけてくれた参加者など、強い関心を持った方々に集まっていただ けました。
 海のサイエンスカフェの趣旨について簡単に説明した後、上野さんに「海の巨大な渦」についての話題提供をしていただきました。少人数ということ もあり、参加者の反応をよく確認しながら丁寧に話すことができ、また、随時、質問を受けながら話を進めたことがよかったのか、アンケート結果によ ると、話の内容はよく理解していただけたようです。その分、通常よりも長めの話題提供となりましたが、それほど長いとは感じられなかったと思いま す。その後の懇談は、参加者と研究会員がマンツーマンに近い形で、じっくり行うことができました。話題提供に関する質問のほか、日頃の疑問などに ついて、予定の時間いっぱいまで熱心なやり取りが続けられました。
 地方での単独開催の難しさを思い知らされたサイエンスカフェではありましたが、参加して本当によかったとの感想に大いに励まされました。今後も 広報活動を工夫しつつ、地方での開催も続けていこうとの思いを強くした次第です。参加してくださったみなさんに、また、海の見渡せる素晴らしい会 場を提供してくださった道の駅「流氷街道網走」のご協力に感謝いたします。  (須賀利雄)

【話題提供者からのメッセージ】

「海の中の高気圧・低気圧」である海洋中規模渦は、海洋の循環や熱・淡水輸送、生物生産に大変重要な役割を果たしています。今回のサイエンスカフェの話題提供では、大気の高気圧・低気圧に関する情報をもとに、海洋中規模渦とは何かということをまず説明し、海洋中規模渦の重要性から最新の研究成果にいたるまでを簡単に紹介しました。また、北大水産学部附属練習船おしょろ丸などが行っている海洋観測に関しても興味を持ってもらえたらと思い、写真等を用意して簡単な説明を行いました。当日は、参加者が少なめであったこともあり、和やかな雰囲気で話題提供とその後の懇談を行うことができました。懇談では、海洋中規模渦の話から離れ、海洋観測に関する様々な話や地球温暖化問題に関する話題についても話をすることができました。普段の研究者同士の議論とは違った話し合いを持つことができ、私にとって大変勉強になる時間でした。参加して頂いた皆さん、本当にありがとうございました。開催場所である道の駅「流氷街道網走」は、施設自体が充実しているばかりでなく、大変景色の良いところでした。次回はぜひ旅行で訪れたいと思います。