海のサイエンスカフェ

日本海洋学会教育問題研究会



凍る海のふしぎ

 主  催: 日本海洋学会教育問題研究会

 協  力: 愛媛大学女性未来育成センター・NPO森からつづく道

 話題提供: 野村大樹さん(北海道大学 低温科学研究所)

  進   行:  平田 景都(愛媛大学)・上野 洋路(北海道大学)

 日   時: 平成27年9月26日(土曜日) 10時00分-11時30分

 場   所: 愛媛大学 城北キャンパス内 セ・トリアンラウンジ

 参 加 者: 31名(高校生以下:9名、大学学部生:7名、大学院生・社会人9名、 教育問題研究会会員6名)

 内   容: 
冬になると道端の水たまりや池の水が凍るように、北極などとても寒い 場所では広大な海が凍ります。 海が氷で覆われ、辺り一面が真っ白となり、 幻想的な世界が広がります。氷の存在は、地球規模の熱 や物質の輸送に影響 するため、気候変動に大きく関わっています。このサイエンスカフェでは、 私が これまで出向いた南極、北極、オホーツク海などの凍る海で出会った自然現象、かわいい(?!)動物、 仲間達との生活の様子などを紹介しながら、 凍る海が二酸化炭素などの温室効果ガスの吸収や放出に 果たす役割について 一歩踏み込んでお話したいと思います。



話題提供者からのメッセージ~~~~~~~~~~~~~~~~~野村 大樹(北海道大学)
第16回の海のサイエンスカフェに「凍る海のふしぎ」というタイトルで話題提供をさせていただきました。愛媛 という温暖な気候の地で、しかも夏の時期に、極寒の地の魅力をどう伝えるか悩みました。まず、極域での研究 のイメージ掴んでいただくために、美しい風景、辛そうな観測風景、動物の写真・動画を中心としたスライドを準 備しました。そして、極域海洋が、地球規模の熱や物質の輸送に重要な役割を果たすことを私なりに噛み砕いて説 明しました。最後には、極域研究者の間ではありきたりですが、南極氷山という最強のおみやげを提供することに よって、冷たい氷に触れ、味わい、氷に詰まった太古の空気が弾ける音、匂いを実際に感じ、皆さんを寒い世界に 少しばかり引き込むことができたのではないかと思っております。将来、このサイエンスカフェから極域の仕事に 関わる方が生まれることを祈っております。また、如何に自分の研究を他人に興味を持ってもらうか、知ってもら うかということを真剣に考える大変貴重な体験となりました。
本サイエンスカフェを実施するにあたり多くの方々の協力を頂きました。上野洋路さんには、司会進行とともに、 私の分かりづらい説明を、皆さんに分かりやすく伝えるという重要な役割をしてい頂きました。平田景都さんに 書いていただいた宣伝ポスターはとても魅力的で素晴らしく、サイエンスカフェ終了時にいただきました。現在 は、私のオフィス前に飾らせていただいております。スライド作成では、川合美千代さんに厳しくご指導してい ただきました。最後に、参加者の皆さん、教育問題研究会の市川洋さん、藤井直紀さん、会場を提供・準備して くださった吉江直樹さん、大林由美子さん、そして愛媛大学の皆さんに感謝申し上げます。

 進行担当者からのメッセージ~~~~~~~~~~~~~~~~~上野 洋路(北海道大学)
本サイエンスカフェは、はじめに進行担当者の自己紹介、次に参加者の皆さんに簡単な自己紹介をして 頂いてから、野村さんによる話題提供に進みました。北極へも南極への何度も観測に出かけている野村 さんの話は大変面白く、参加者だけでなく進行担当者の私も野村さんの世界に引き込まれてゆきました 。スクリーンを用いないサイエンスカフェの形式もあるのですが、今回はきれいな写真や観測の動画な どを参加者が楽しむために、スクリーンは必須でした。話題提供の後は、野村さんに持って来て頂いた 南極の氷をミネラルウォーターの中に入れて、プチプチという音と共に味わいました。南極の氷を楽しみ ながらだと質問もしやすい雰囲気になり、参加者と野村さんや教育問題研究会員の間の話も弾みました。 おもしろい話と同時に、南極の氷という素敵な仕掛けまで用意して頂いた野村さんに感謝致します。 アンケートの結果でも、「面白いと感じた内容はありましたか」という質問に対し、全員に「はい」と 答えて頂きました。
今回のサイエンスカフェには、多くの高校生や大学1、2年生に参加して頂き、とても賑やかな会とな りました。多くの高校生、大学生に本サイエンスカフェの案内をして頂いた、愛媛大学の吉江さん、平 田さんに感謝致します。お二人には、会場の設営から当日の進行までご協力頂き、本当にありがとうご ざいました。また、サイエンスカフェの案内をして頂いた、愛媛大学女性未来育成センター・NPO森か らつづく道の担当者の方にもこの場を借りて御礼申し上げます。



 進行担当者からのメッセージ~~~~~~~~~~~~~~~~~平田 景都(愛媛大学)
今回のサイエンスカフェでは、ポスター制作や松山市内高校への案内、そして進行役としてお手伝い させていただきました。当日人が集まらなかったらどうしよう…と内心ヒヤヒヤしていたのですが、 参加した後輩に面白かったと言われたり、終了後に母校のホームページに取り上げて頂いたりと、 これまでのサイエンスカフェの中でもかなりの盛り上がりだったと伺い、大変嬉しく思いました。 特に嬉しかったのは、話題提供者の野村さんが、会場周辺や研究棟内に貼っていたポスターを全て 持って帰っていただいたことですね!頑張った甲斐がありました。このような催しに参加できたこと 、紹介していただいた吉江先生にこの場をお借りして感謝申し上げます。
また、話題提供者である野村さんのお話や多くの写真・動画、南極の氷によって、テレビや授業で紹 介される極域が身近に感じることができ、進行役のお仕事を忘れてしまうほど聞き入ってしまいました 。私の研究している分野は陸水ですが、極域に行ける機会があれば是非とも行ってみたくなりました。
最後になりましたが、今回話題を提供していただいた野村さん、進行担当の上野さん、日本海洋学会教育問題研究会 の市川さん、大林さん、藤井さんにこの場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

facebookページ「海のサイエンスカフェ」

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