人間の場合、血液の循環によって、酸素や栄養を体の隅々まで運んだり、体温を保持したりしています。
同じように、海洋大循環も酸素や栄養を海全体に行きわたらせています。
それで海の多くの生物が生きているのです。

また、海洋大循環は大気大循環(大気中の空気の循環)とともに赤道付近から極域(南極と北極周辺)に熱を運ぶことによって、地球全体の気候をコントロールしています。
日本列島は、黒潮にのってきた赤道の暖かい水で囲まれています。
このため、同じ緯度の大陸の内陸部に比べて、豊かな水に恵まれ、温暖な気候となっているのです。

もし、海洋大循環がなくなったら、栄養不足のために、植物プランクトンは繁殖できなくなるでしょう。
その結果、植物プランクトンを餌とする動物プランクトンや魚たちは餌不足のため数が減るでしょう。
生きるのに酸素を必要とする動物たちは、酸素がなくなる深海には住めなくなるでしょう。
また、黒潮が止まると日本列島は水不足となるとともに、気温は今より低くなるでしょう。

地球温暖化が進むと、北極付近の海水が海底まで沈まなくなり、深層大循環は止まると考えられています。