海には、大気の50倍もの二酸化炭素が溶けています。
現在、人類が石油などを燃やしてできた二酸化炭素の半分近くを海が吸収しています。
しかし、海の状態が変われば、海の吸収が減ることや、逆に海から出てくることさえあり得ます。
海の吸収が減るのは、海面の水温が上がったり、海面でのプランクトンによる光合成が減ったり、サンゴや貝が炭酸カルシウムの殻を多くつくったりしたときです。 注
実際の海では、冬、冷やされ、重くなり、二酸化炭素を多く溶かし込んだ水が沈み、深層水ができます。
一方で、それと同量の、昔、大気に二酸化炭素が少なかった時代に潜り込んだ水が湧き上がりますから、地球の温暖化で深層水のできる量が減ると、海の吸収が減り、大気での増加が加速されそうです。
海の吸収が減るのは、海面の水温が上がったり
一般に、水温が上がると気体の溶解度が減ります。例えば、0℃の海水は15℃の海水よりも2倍以上の二酸化炭素を溶かし込むことができます。
海面での植物プランクトンによる光合成量が減ったり、サンゴや貝が炭酸カルシウムの殻を多くつくったりしたときです。
海の中で二酸化炭素は、二酸化炭素分子、重炭酸イオン、炭酸イオンという形で溶けています。植物プランクトンは、光合成で二酸化炭素分子から有機物をつくります。光合成が起こると、水の中の二酸化炭素分子が減りますから、大気の二酸化炭素が溶け込みやすくなります。
一方、サンゴや貝は、炭酸カルシウムの殻を作るときに、2つの重炭酸イオンから1つの炭酸カルシウムと1つの二酸化炭素分子をつくります。つまり、海水の二酸化炭素分子が増え、表面海水では溶けていられなくなります。
従って、生物の働きにより海に二酸化炭素がよく吸収されるようになるのは、海の生物が有機物をつくる時だけです。サンゴや貝が炭酸カルシウムの殻をつくると、その分二酸化炭素が大気に放出されやすくなります。