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【主催】
日本海洋学会教育問題研究会、海洋若手会
【コンビーナー】
伊藤進一(水研セ・東北水研)
井上龍一郎(海洋研究開発機構)
吉江直樹(愛媛大CMES)
森岡優志(日本学術振興会特別研究員)
【日時】
2013年3月22日 18:00~20:00
【会場】
東京海洋大学品川キャンパス白鷹館1階講義室(第1会場)
【開催趣旨】
海洋学の推進、教育、そして普及を進めるのは人であり、人材育成は重要な要素である。しかし、近年、博士の学位を取得するために大学院博士課程へ進学する学生数が減少しているようにみえる。その主な原因は、学位取得者のポスドク後の就職先である研究員・大学教員などの研究職が少ないという深刻なポスドク問題にある。実際の大学院博士課程への進学者数の実態を調べるとともに、現在の大学院での教育内容、修了後の就職先等を海外の例と比較し、日本の現状を考察する。これらの情報をもとに、将来の海洋学のため、人材育成・ポスドク問題についての認識を共有し、その具体的な解決策についての意見・情報を交換する場として、本ナイトセッションを企画する。現役の大学院学生、ポスドク研究員の皆さんをはじめ多くの会員の参加を歓迎する。
アンケートのお願い
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18:00~18:10 趣旨説明 伊藤進一(教育問題研究会)
18:10~18:20 大学院博士課程進学者数・就職先調査結果
吉江直樹(愛媛大CMES)
18:20~18:40 ポスドクからみた現状認識
森岡優志(海洋若手会)
安中さやか(国立環境研)
18:40~19:00 民間企業で必要な人材、民間企業での博士取得者の役割
森 康輔(JFEアドバンテック)
竹内一浩(いであ)
19:00~19:30 大学院における研究者養成の現状と今後の展望について
三寺史夫(北大院地球環境)
博士課程修了者のキャリア多様化についての大学の取り組み
松山優治(東京海洋大)
19:30~19:50 海外と日本での人材育成の比較
井上龍一郎(海洋研究開発機構)
平田貴文(北大院地球環境)
19:50~20:30 総合討論
座長:伊藤進一(教育問題研究会)
私たちに今できることは何か。
将来に向けてすべきことは何か。
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3月22日の発表資料です。画像をクリックするとスライド内容を見ることが出来ます。
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テクノオーシャン2010シンポジウム「海洋科学の大学院教育は企業の即戦力たりえるか?」
豊川・藤井(2011), JOS News Letter, 1, 3-5.
参考文献
Undergraduate oceanography education in a global world (Tomczak, 2003)
An International Perspective on Graduate Education in Physical Oceanography (Brix et al., 2003)
When will you speak out for ocean sciences education? (McManus, 2002b)
Are Ph.D. students able to explore career paths that their advisors disparage? (McManus, 2002a)
Sverdrup, Johnson and Fleming’s The Oceans Revisited: What of the future of graduate education in ocean sciences? (Farrington, 2001)
Graduate Education in Physical Oceanography. (Pedlosky, 1992)
参考記事
記事のバックナンバーが必要な方は伊藤進一会員までご連絡ください。
毎日新聞(2012.04.23)有期雇用の若手「法改正は逆効果」
科学新聞(2012.04.27)研究者の人材確保困難に
科学新聞(2012.10.26)研究支援者の雇用確保を
科学新聞(2012.11.30)国費による研究開発評価方法変更へ
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「Oceanography for Tomorrow Project」の提案
「日本の海洋学の将来像を考えてみませんか」。科学を取り巻く環境が国内的にも国際的にも大きくかわり、海洋学にもいろいろな面で社会からの期待がかかっています。その一方で、海洋学は、地道にデータを集め、分析を進めることが重要です。そして、自由な発想で研究を展開することも重要です。この両者のバランスが取れた形で海洋学を進めるためには、どうしていけばいいのでしょうか。現在、日本の海洋学が直面している様々な問題点について、話し合い、解決はできないかもしれませんが、みんなで改善できることがないかアイデアを出し合ってみませんか。
日本海洋学会においても将来検討委員会が設置され大型研究に関する検討などが行われ
ています。このように学会規模で議論をすることはとても重要なことです。しかし、学会
などを規模が大きい単位で議論をすると、若手研究者の柔軟な発想がなかなか出てこない
場合もあります。そして、成果を限られた時間で出すことを求められている若手研究者に
とっては、余分なことを考える余裕がないのも事実でしょう。しかし、現在の海洋学会員
の中で、ポスドク研究者、任期付研究者が占める割合は高く、海洋学を駆動しているのこ
の世代であるといっても過言ではありません。そして、まさに今、若手研究者の意見を取
り入れながら日本の海洋学の将来像を考える時期にあると思います。
Oceanography for Tomorrow Project では、形式張らず若手研究者が自由な発想で議論を
できる状況を作りつつ、海洋学の将来像について議論をすることを目的にとし、日本の海
洋学が抱えているいくつかの問題に焦点を当てて話し合いたいと考えています。この意図
は、若手以外の世代を排除するということではなく、すべての年齢層を含めつつも、若手
研究者が意見を出しやすい形で議論を進めたいというものです。その第一弾として、今回
は、人材育成について、お話をしたいと考えています。やはり、まずは人が学問を進める
ので、今どんな人材が新たに必要なのか、また現在の人材育成システムに改善の余地はな
いのか、そしてポスドクの状態について、議論したいと思います。みなさんのご参加をお
待ちしております。
2010.12.12
伊藤進一